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タルカスの修理

10月4日のレビューで床下から強烈なアンモニア臭がするというトラブルを紹介しました。

連絡してスグに敏腕現場監督S原さんが飛んできてくれて見てくださり、床下排気用のダクトをもっと太いものにするという対処を検討されました。そして、その補修工事が本日行われました。

松下電工の業者さんがやってきて、修理してくれましたが、その前に補修前の状況を紹介しましょう。建築中の我が家の写真集から探しだしました。

工事中の三室同時排気ファン付近の配管
洗面所の天井裏にある三室同時排気ファンです
床下空気排出吸込口
浴室ユニット天井裏の床下空気排出吸込口。
左奥で浴室の青いダクトとT管で合流しています

まず、上左写真をご覧になっていただきたい。

これが、1階の洗面所にある「三室同時排気ファン」という装置。ここと浴室・洗面所・トイレの3室の排気グリルがダクトで繋がっており、この中のファンで3室の汚れた空気を吸い取って、排気するという装置です。

この場合は、


【A】……浴室排気グリルからの吸気ダクト

【B】……洗面所排気グリルからの吸気ダクト

【C】……トイレ排気グリルからの吸気ダクト

【D】……3室から集まった空気を屋外の排気口へと送り出すダクト


となっております。

床下の空気は浴室ユニットの外側を伝ってユニットの天井裏まで昇ってきます。そこに、床下空気排出吸込口というパイプ(上右写真)があり、そこに吸い込まれます。

このパイプは先ほどの【A】の浴室排気グリルからの吸気ダクトとT字の管で接続され、浴室の排気と床下の排気が合流し、洗面所の天井裏の三室同時排気ファンまで運ばれます。

この床下空気排出吸込口が写真でご覧になられて分かられるように、このパイプは普通のダクトに比べてかなり細いんですね。言うなれば、掃除機のホースくらいの細さで床下の空気を吸い込もうっていう寸法なので、建坪が広ければ広いだけ吸い切れないということになります。そして、床下のアンモニア臭が吸い切れず室内に逆流してきてしまうという不具合が発生してしまいますので、今回は、この床下空気排出吸込口を口径の広いものに交換するという作業を行いました。その為、施工後である上右の写真では、パイプの先端が銀色のテープで塞がれています。


では、違いが分かりやすいように補修前の3室からの空気の流れを図で説明しましょう。

ダクト付け替え前の空気の流れ
【図1】補修前の3室からの空気の流れ

このように、3室からの空気はそれぞれ独立したダクトで、三室同時排気ファンの3つの口まで引き込まれています。

前述のように、床下の空気は、浴室ユニットの外側の隙間を伝ってユニット天井裏のパイプから吸い込まれ、浴室のダクトに合流しているのが分かると思います。

ダクト付け替え前の三室同時排気ファン付近の配管
【図2】補修前の三室同時排気ファンの接続図

【図2】は、補修前の三室同時排気ファンのダクトの接続図です。浴室・洗面所・トイレの三室からの独立したダクトが直接3つの口に接続されています。床下からの空気は、右側で三室同時排気ファンに入る前に浴室からのダクトと合流しているのが分かると思います。


では、補修後はどうなったのかと言いますと、下の図のようになります。

ダクト付け替え後の空気の流れ
【図3】補修後の3室からの空気の流れ

補修後は、洗面所のダクトが三室同時排気ファンから外され、トイレからのダクトに接続して合流させます(赤丸の中)。その為、洗面所とトイレの排気が先に合流して1本のダクトになり、三室同時排気ファンの1つの口に引き込まれます。

そして、それまで洗面所からのダクトが接続されていた三室同時排気ファンの口には、新たに追加された床下空気排出用の太いダクト(赤い長方形の中)が接続されます。従来の床下空気排出口はテープで塞がれ役目を終えました。

新しい床下空気排出用のダクトは浴室ユニットの入っている部屋の内壁に穴が開けられ、そこを吸込口としていますので、従来の吸込口よりも格段に大きくなります。また、三室同時排気ファンの3つの口のうち1つを独占している為、吸引力も強くなり床下空気をより多く吸えるようになりました。

ダクト付け替え後の三室同時排気ファン付近の配管
【図2】補修後の三室同時排気ファンの接続図

【図4】は、補修後の三室同時排気ファンのダクトの接続図です。補修前の【図2】では下の口から洗面所の排気グリルへのダクトが延びていましたが、このダクトが外されトイレの排気グリルからのダクトとY管(Y字型に分岐したパイプ)で合流し(赤点丸の中)、1本のダクトになって、三室同時排気ファンの左の口へと引き込まれています。その為に、この口で洗面所とトイレの2室分の排気を吸気しないといけないので、2室の排気能力は落ちますが、あまり問題になっておりません。

その分、下の口へは、独立した床下空気の排気用のダクトが接続されているので(赤点四角の中)、床下の空気を吸う能力は格段に強くなります。

ダクト入れています
洗面所の三室同時排気ファンの下から床下
空気排気用の新たなダクトを入れています
ダクトの直径
新しい床下空気排気用のダクトの直径は、
他のダクトと同様約10cmと広くなっています

実際の作業は洗面所の天井にある点検口を開けて作業します。点検口を開けたら三室同時排気ファンがあるので、それを外さねばなりません。天井裏は狭いので入って作業するワケにもいかず、かなり苦しそうに作業していたと父談。

新たな床下空気排気用のダクトは他のダクトと同様に口径10cm程の太いダクトです。これなら大丈夫でしょう……。

浴室天井裏配管
【写真1】浴室の天井裏から洗面所方向
浴室天井付近
【写真2】その真下の浴室内部の天井付近

【写真1】は浴室天井裏の排気グリル付近から三室同時排気ファン方面(洗面所方面)へと延びるダクトを小型デジカメだけ突っ込んで撮影したものです。

床下排気用に浴室の天井裏と洗面所の天井裏は完全に分離されており、浴室側の気密性を高めています。ダクトレスの為に気密性は重要です。

ここでは、


【A】……2階の吸気ファンからのダクト(ここではあまり関係ナシ)

【B】……新たに付けられた床下空気排気用の吸込口。ここからダクトが三室同時排気ファンまで延びていきます。

【C】……浴室の排気グリルからのダクト。奥の壁をブチ抜いて三室同時排気ファンまで伸びていきます。

【D】……従来使われていた床下空気排気口の細いパイプ


……となっております。

【写真2】は、その真下の浴室内部の写真。手前の大きな真っ白い物体が浴室の排気グリルです。奥の扉の向こうが洗面所になっております。

では、次に洗面所の天井裏を見てみましょう。

洗面所天井裏配管
【写真3】三室同時排気ファンから浴室方向
洗面所天井付近
【写真4】その真下の洗面所内部の天井付近

【写真3】は、洗面所の天井裏に設置された三室同時排気ファンから浴室方面を見た写真です。首を突っ込んで見れないスペースですので、手首を突っ込んでデジカメで撮影しました。

新たに、ダクトが追加されているだけあって、もうゴチャゴチャしております。

ここでは、


【A】……浴室排気グリルからのダクト。奥の壁をブチ抜いてこちらに来ています。

【B】……洗面所排気グリルからのダクト。奥の先端が下に向いて排気グリルに接続されています。そこから、従来は右手前に延びて三室同時排気ファンに接続されていましたが、左手前で浴室排気グリルからのダクトの下をくぐらせて反対側に持っていっています。

【C】……これが新たに追加された床下空気排気用のダクト。右手前にある三室同時排気ファンまで延びて接続されています。


……となっております。

【写真4】は、その真下の洗面所内部の天井付近の様子。手前の点検口の上に三室同時排気ファンがあり、右奥に換気扇があります。これが洗面所の排気グリル。これを外して、洗面所と浴室の間の壁に穴を開け、床下空気廃棄用のダクトを接続しました。

排気口
【写真5】排気口付近
Y型分岐のダクト
【写真6】洗面所とトイレのダクト合流地点

【写真5】は、【A】が三室同時排気ファンの排気用のダクト。奥の壁の向こうは屋外です。その下をくぐっている【B】は、【写真3】で浴室からのダクトの下をくぐっていた洗面所の廃棄用のダクトです。

そのダクトが【写真6】で、【A】のトイレ排気ダクトと【B】の洗面所排気用ダクトと銀色のY管で合流しています。

Y型ダクト取付中
そのY管を天井裏に入れようとしている所です
Y型ダクト取付中
なかなか入れるのが大変なようです

そんなワケで、浴室と床下を別系統のダクトにしたものですが、そういえば、「もう1つの建築日誌」で連載中のS端邸では、我が家の反省を活かしてか、既に別系統でやっていると聞いた。そこら辺を見てみよう。

S端邸洗面所天井
【写真7】S端邸の排気ダクトの配管
S端邸三室同時排気ファン付近配管
【写真8】S端邸の三室同時排気ファン接続

我が家をやった後でこの写真を見るとよく分かる。なるほど、ちゃんと別系統になっていて、洗面所とトイレがY管で合流してから三室同時排気ファンに導かれている。

【写真7】はトイレ上の三室同時排気ファンから浴室方面を見た写真であるが、これでは、


【A】……洗面所の排気グリルからのダクト

【B】……床下空気排気用のダクト

【C】……浴室の排気グリルからのダクト

【D】……三室同時排気ファンから屋外へ排気する為のダクト


なるほど、従来では、浴室の天井裏で【B】【C】が合流され、こちらからは【A】と【C】の2本が見えるだけであるが、【B】【C】の2系統のままこちらに延びているのがよく分かる。

そして、三室同時排気ファンへの接続を見てみると……、


【A】……洗面所とトイレの排気が左のグレーのY管で合流され、銀色のダクト1本にまとまって三室同時排気ファンに引き込まれています。

【B】……床下空気排気用のダクト

【C】……浴室の排気グリルからのダクト

【D】……三室同時排気ファンから屋外へ排気する為のダクト


……となっております。全く我が家と同じ接続に改造されておりました。


……とまあ、いろいろとやっていただきましたが、効果の程は……と言いますと。アンモニア臭が消えました!これはスゴイ!流石は敏腕現場監督のS原さん。

確かに、洗面所とトイレの排気が1本のダクトになってしまったので、その2室の排気能力は落ちますが、トイレは昔からの汲み取り式のトイレではなく水洗トイレですし、洗面所もそんなに湿気を持つ場所でもない。その為に、1本のダクトで必要にして十分です。そして、床下排気のダクトが1本で独立した為に、今までのアンモニア臭は吸い取られて逆流はしなくなりました。


これでメデタシ、メデタシというところですが、実は2階のホール裏にある「循環型吸気ファン」の調子が悪い。これこそ、タルカスの真骨頂である、「外気+リターン=吸気」を実現するシステムと思うが、この中のファンの音が何かに擦れるような「キュルキュル……」という音を出していて、振動もする。その為、パルコン板ではなく、普通の造作壁で仕切られている私の部屋に天井裏を通してモロに音が伝わり、騒音となっていたのだ。

これに関しては、中のモーターを取り替えるということで、応急処置として運転を「弱」にして、本日は終了。音はなくなりましたが、効率は現在は落ちています。これを直せば我が家のタルカスは100点(?)。

2階ホールの循環型吸気ファン振動チェック
循環型吸気ファンの振動を調べています
2階ホールの循環型吸気ファン調整中
運転を弱に調整しています

タルカスだけで結構長くなってしまいました。この手のトラブルは他の皆さんにもあると思うので是非、参考にしてみてください。

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