1、そういや我が家は鉄筋コンクリート住宅……
5月26日、当パルステをご覧になられたSさんという方からメールをいただいた。Switchを展示場でご覧になられてからパルコンの虜になってしまいパルコン(3階建てのサード!)で新築されることになったそうな。初めて私がパルコンと出会ったときのことを思い出す(嗚呼、懐かしい……)。
そのメールの内容というのは、パルコンで建てるに当たってLAN環境はどうしたら良いかというもの……。
Sさんが現在、住んでおられる木造住宅は、簡単に穴をあけられるという強みから、勝手に穴をあけて有線LANを張り巡らしておられた。……が、鉄筋コンクリート住宅のパルコンとなると、そういうワケにはいかない。事前に電気の配線同様に、どの部屋にLANを引くかを考えておかねば、場合によってはパルコン板を製造する段階でLANのパイプを通さねばならんワケです。そういったことを依頼すると、Sさんの場合は各部屋にLANを引いて費用は占めて75000円也!そういうことで、巷で話題の(?)無線LANも検討してみようと思われたそうな。
……が、パルコンは鉄筋コンクリート住宅。電波の状態はどうだろうという相談を受けた。我が家の場合は有線LANのジャックを主要な3部屋に引いているので、特に無線LANを必要としたことはないが、幸い(?)ルーターが無線LANができるタイプのものだったので、我が家で検証してみた(ヒマなヤツだなぁ……)。
それにしても、鉄筋コンクリートの建造物は、鉄骨もそうだが確かに電波を通さない。愛用のFOMAの携帯電話で通話していたところ、外ではバリバリに3本のアンテナが表示されるのに、中に入ると時によっては「圏外」という通告を受けることもあった。両親と携帯で話していた時に「オマエの声、ブツブツ切れるぞ」と言われたのには絶句した。コチラも両親もアンテナはバリバリの3本!それなのに、ああそれなのに……。鉄筋コンクリートは、雪も雨も風も弾く強さを持っているが、ついでに電波まで弾いてしまうようだ。
2、そんなワケで無線LANの検証です
……とエラそうに、「大検証」などと言ってみましたが、やったことは家の中をグルグルと回ってWindowsXPについている機能で電波の強さを測ってみた。
一つは、「ワイヤレスネットワーク接続の状態」で、パッと見で携帯電話の電波感度のアンテナみたいな絵で強度が分かる。
もう一つが、「ワイヤレスクライアントマネージャ」である。これは数値で「受信信号強度」が分かるというもので、前のものよりも詳細が分かっていいような気がする……。
アンテナの本数で強度が分かる「ワイヤレス
ネットワーク接続の状態」のウィンドウですね
こちらはもっと詳細に数値で分かる
「ワイヤレスクライアントマネージャ」
それで次は、無線LANの電波を放っている我が家の無線ルーターは、バッファローの「WHR3-AG54/P 」を使っております。有線スループットでも98.7Mbpsということなので、FTTHを有線で使用する際にもイイかなということで選びました。それと、無線LANカードが付いているということですね。でも、外付けアンテナは使っておりません。2階のホールにあるブースターボックス内にメディアコンバーターと一緒にセットしてあります。
これが我が家の無線LANルータ。
外付けのアンテナはございません
2階ホールの壁のブースターボックスの中に
メディアコンバータと一緒に納まっております
では、検証してみましょう。
3、2階の検証
普通なら、1階の玄関を入ったところからやっていくものでしょうが、我が家の場合は2階から光ファイバーを引き込んで2階にブースターボックスがあるので2階から検証していきます。
下記が我が家の2階の間取りで、数字が書かれている箇所で調べてみました。ちなみに、グレーの壁がパルコン板による壁で、それ以外は石膏ボードなどによる区画壁となっております。
では、各場所での状況を表にまとめてみました。
場所の名前 | シグナルの強さ-1 | シグナルの強さ-2 | 受信信号強度 | |
1 | ブースターボックスの真下(ホール) | 非常に強い | 45 | |
2 | 2階廊下の真ん中 | 非常に強い | 44 | |
3 | 和室上テラス | 強い | 40 | |
4 | 2階トイレ | 強い | 29 | |
5 | 両親寝室の出入口寄り | 強い | 32 | |
6 | 両親寝室の一番奥 | 強い | 30 | |
7 | 洋室の出入り口側 | 中 | 30 | |
8 | 洋室の一番奥 | 弱い | 29 | |
9 | こつをの仕事場のブースターボックス側 | 非常に強い | 42 | |
10 | こつをの仕事場の一番奥 | 強い | 35 | |
11 | こつをの寝室の出入口付近 | 中 | 26 | |
12 | こつをの寝室の一番奥 | 弱い | 24 | |
13 | 階段の真ん中辺り | 強い | 37 |
こんな感じです。
言うまでもなく、ブースターボックスと同じ空間のホールや廊下、そして、ガラス越しの和室上のテラス(こんなトコでネットはやらんと思うが……)では、非常に良好な結果となった。
我が家の特徴として、廊下を挟んで左右対称な構造となっているが、玄関側(図では左側)の部屋とホールとの間の壁はパルコン板ではなく、両親の寝室や洋室側の壁はパルコン板によって区切られている。そこで、ほぼ同じ距離であっても若干の誤差が出た。しかし、それらの場所でそれなりの通信の安定は確保できるようだ。特に、パルコン板によって囲まれていても、ドア部分や窓からブースターボックスが見えると非常に強い信号を感知した。特に、両親の寝室の一番奥で「強い」と測定されたのは意外な結果だったが、その場所とブースターボックスの間にはドアくらいしか障害物がないというのも大きな要因と考えられる。
反面、だらしなかったのが、私の寝室の奥と洋室の奥である。私の寝室の奥との間には、チョットだけではあるがパルコン板の壁が障害となっているようだ。それ以外にもドアや石膏ボードの壁が数枚あり電波を妨げたのかも知れない。両親の寝室の奥の方が実は障害物は少なかったのだ。それと、洋室の奥も間にパルコン板の壁とトイレを仕切る石膏ボードの区画壁がある。やはり、間にパルコン板の壁が1枚でもあると電波は弱まってしまうようだ。